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私は、自分の子どもにどんな香りの記憶をプレゼントしたいだろうか?
こんな風に考える機会があった。
以前、子ども科学電話相談室をラジオで聞いていて、子どもの質問とそれに対する科学者の回答がすごく素敵で、ふと考えさせられる内容だった。
その時の質問と回答はこんな感じ。
子どもの質問。
「お茶碗で食べるごはんより、おにぎりの方がおいしいのはなぜ?」
この質問が結構難しかったらしく、科学者たちが一瞬ざわついた後、
「これどの専門分野の人が答える?」
「誰がどう回答しようか?」
「これ答えられる人いる?」
と、科学者たちが回答に困って話し合っていると、ようやく統計学の教授が、
「じゃあ私が回答します」
ということになって、質問者に、
「じゃあ、まずは本当にお茶碗のごはんより、おにぎりの方が美味しく感じるか統計を取りましょう」
ということになり、その場にいた科学者の方に、お茶碗のごはんとおにぎりと、どっちが美味しいと感じるか挙手で統計を取ると、ちょうど半々くらいの結果になった。
その結果を見て統計学の教授は、
「結果は半々だから、どっちが美味しいという正解は無くて、きっと記憶に関係してるんじゃないかな?」
と答えた。
続けて、
「昔、楽しい!美味しい!っておにぎりを食べたことがある人は、おにぎりを美味しい!って思うし、お茶碗で食べてる時に楽しいってことが多かった人は、お茶碗のごはんが美味しいって思うんじゃないかな?」
と解説していた。
その回答に深く納得しつつ、
じゃあ、嗅覚は味覚よりも深く記憶と結びついているから、子どもの頃に楽しい香りの記憶が多ければ、辛いことや悩みや悲しいことを抱えた時に、ふと歩いていて漂ってきた香りの記憶で、無意識に楽しかった感情や幸せな記憶に導かれて、不幸を和らげることができて生きやすくなるんじゃないか?
と考えた。
私自身も、エビフライの香りがすると、運動会の楽しくてちょっぴり緊張した懐かしい記憶が蘇ってきたり、地元の植物園の花の香りを嗅ぐと、植物園で父と母の間で手を繋いで歩いた時の忙しい両親が一緒にいてくれたという嬉しい気持ちが湧いてくる。
でも、逆もあって、母が大切にしていた香水の瓶を割ってしまって、後悔と怒られるかもしれないっていう怖さと、そして案の定怒られた時の情けなくて悲しい気持ちも、その香水の香りを嗅ぐと思い出してしまうから、今でもその香りが苦手だったりする。
私はアロマセラピストとして、香りと記憶のメカニズムを深く知っているから、子どもの散歩していて季節の花の香りがした時は、一緒に香りを楽しんで笑って散歩したいし、食事は楽しい雰囲気の中で味や食べ物の香りを感じさせてあげたいと思う。
そうして、その子の周りが楽しい香りの記憶で満ちていれば、辛い時にもふと漂ってきた香りで無意識に心が軽くなったり、気持ちをリセットして気分転換するきっかけが多くなるはずだから。
以前、しょこたんこと中川翔子さんのコラムを読んだことがある。
10代の時、いじめを受けていたしょこたんが死にたいと思い実行に移した時、ふと猫が部屋に入ってきてしょこたんに甘えだし、最後に猫を撫でようと抱き上げ撫でているうちに死にたいという衝動がおさまった。
あの時、死ななくて本当に良かった。
という内容を読んで、きっとこんなちょっとしたきっかけがあれば、人は生きていけるのではないか。
こんな、人生への愛着を感じるもの、楽しく過ごした記憶に一瞬触れることで、死を回避するきっかけになるんだと感じた。
私たちの周りは、たくさんの香りで満ちている。
子どもの頃に香りとともに感じた楽しく幸せな記憶は、親から子どもへの「生きる力」というプレゼントだ。
過去ツイート↓
私はエビフライの香りを嗅ぐと運動会のワクワクした記憶がフラッシュバックします😆
— アロマであまやどり@プロ向けアロマ情報ブロガー (@aromayadori) September 28, 2022
蘭の香りやガーデニアの香りで子供の頃に家族で植物園に行った時の記憶が蘇って懐かしい気持ちになります☺️
先日、金木犀ウォーターについて投稿したけど実は私は金木犀の香り知らないんです😔
— アロマであまやどり@プロ向けアロマ情報ブロガー (@aromayadori) October 4, 2022
私の育った地域には金木犀の木が無い…
生活の木から金木犀ブレンド精油が出た時に嗅ぎに行ったけど、観光客の方は懐かしいと喜んでいたのに私は無。
やっぱり記憶と結びついていないと感情は引き出されないみたい😅 https://t.co/ftrzlJyPtm
◆著者:あまやどりプロフィール
しょこたんのコラムはこちら↓
【あわせて読みたい】
・アロマが心に作用する本当の理由
・子どもの頃の香りの記憶が人生を導いていたことに気づいて鳥肌が立った話
・子どもと一緒のキャンプにおすすめのアロマ活用術
・お家で簡単♪お鍋で作る季節の植物のフローラルウォーター
・プチグレンとカモミールの相反する感情の思い出
【おすすめ書籍】
赤ちゃんとママの心と体を元気にする! 妊娠・出産・育児のためのアロマセラピー
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著者が日本アロマテラピー学会副理事長で現役の産婦人科医なので、禁忌な精油についてしっかり説明されていて、アロマ初心者の方でも安心して試すことができます。
今後、妊婦さんや育児中のサポートをしたいと考えているアロマ有資格者は、ぜひ読んでおいた方がいい一冊です。
「診察室から」というコラムのページは、ほろりとする素敵な話もあり、出産や育児でのアロマケアの重要性が伝わってくる内容です
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あまやどり プロフィール
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